2022年1月 リップシュタット、ドイツ - 自動車の電動化は着実に進んでいますが、まだまだ多くの課題があります。ユーザーがより長い航続距離と、短時間での急速な充電サイクルを求める一方、メーカーは、短い充電サイクルによるバッテリー寿命への影響を最小限に抑える方法を模索しています。また、発生する熱エネルギーを最大限に活用すること、そのために複雑になりがちな冷却系システムの簡素化も引き続き大きなテーマです。
電子部品部門マネージング ディレクターのBjörn Twiehaus氏は「電動化を成功させる鍵のひとつは、効率的なサーマルマネージメントです。飛躍的な性能向上を目指して、我々はクーラント コントロールハブ (以降、CCH) という革新的なサブシステムを開発しました」と発表しました。
CCHは、各モジュールを効果的に組み合わせるこよにより、バッテリー、パワーエレクトロニクス・駆動用モーター、インテリア空調に関わる3つの冷却系システムの集中コントロールを可能にします。「これらの冷却系システムの統合化は大幅な部品点数削減をもたらし、運搬や車両組立にかかるコストの低減に貢献します。これは、メーカーにとって大きなメリットとなるはずです」とTwiehaus氏は述べています。
さらに、冷却系システムの集中化により、車両 熱エネルギーの理想的な分配を可能にします。最適化を見据えた細かなシステムの設定は、メーカー、車両によって
異なります。「我々は、どんな車両プラットフォームにも対応できるよう準備を進めてきました」とTwiehaus氏は説明します。例えば、CCHは、マルチウェイバルブ、アクチュエータ、分配システム、電動ウォーターポンプ、タンク、熱交換機、さらにはセンサーなどを一つの製品に統合したものです。これにより、アクチュエータや配管といった個々の部品構造や数量を大幅に改善しています。
ヘラーは、流体、エンジン、電子部品、ソフトウェアの分野における高度なレベルのシステム専門知識と、さらにはそれらの冷却・冷媒システムへの適用、高性能電動ポンプとアクチュエータで長年培ってきたノウハウを基に、先進的なバルブコンセプトを打ち立てました。特許出願中の7ウェイバルブは、理想的な熱回収を通じて、熱効率を高めることを可能にします。つまり、必要に応じた暖機 冷却を可能とし、熱性能を向上させることができるのです。